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《愛撫の先に…②》
第5章 占いのままに
✿ ✿ ✿

再び奈々美のシーンです。

それから30分が過ぎようとしていた。
避難場所が駅の構内トイレである事から先程のように度々ドアをノックされるとヒヤヒヤする。
他に個室は2つあるのでガンガンとドアを叩かれるような切羽詰まった感じではないが入っている事に入ってますか?の言葉に罪悪感が少しずつ増していく。

それは子供やおばあさん等だと特に今すぐにでもドアを開けたい心境になる。

だが聞こえたスエット男が近くをウロウロしていたら…と考えるとトイレから出られないのだ。

そのままドアに寄りかかりじっとしていた。
ジッと耳をすませると駅構内独特の行き先のお知らせや電車が出る入る度にメロディが流れている。

日曜日、みんな楽しそうなのにあたしは何をやっているの?…

再びドアがノックされる。
『気分でも悪い?掃除のおばさんだけど、ずっと使用中だから倒れてるんじゃないかって…お客さん?』
嫌がらせではなく使用中が長い事から心配して声をかけた感じだ、バケツを置く音が聞こえる。

『……すみません』
そう言って奈々美はドアを開けた。

『…大丈夫そう、ね〜』
トイレットペーパーを抱えた作業着姿のおばさんが振り返り言う。

『…心配かけました』
使用してはいないが手を洗う奈々美は罪悪感からまた謝る。

出たくはない、だけど出なければ今のように誰かに迷惑をかけ誰かに心配される。
通路を出ると何時間か前に逃げてきた駅構内、旅をして楽しげな家族やカップル、友達同士での買い物等の人々が乗る電車の表示を確認してお土産をみている。
うどん蕎麦等の店は15時過ぎともなれば閑散としファーストフードがにぎわっていた。

お腹空いた…
食べるべき?それとも早く立ち去るべき?
とりあえず彼女は次の電車を確認しようと電光掲示板をみると次は急行で1時間待ちとなっていた。

1時間待ちの16時?
今15時お腹空くはずだわ…
家に帰ったら何時なのかスマホで確認しようとカバンの中に手を入れようとした時、ハアハアと息をしながら男が彼女の肘を握る。

スエット男だ!やけに睨んでいる。

あぁ…
まだいた…
まだいた……
何故かあたしを睨んでいるのは?…
被害者はあたしなのに…

『…急行で帰りたいのでっ、手を離してくださいっ』
彼女は手を振りほどこうと上半身をそらす。

『あんたのせいで駅員に注意されたっ』

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