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《愛撫の先に…②》
第5章 占いのままに
男が彼女に近づいてくる、彼女はパンプスなしでゆっくりしか走れない。

足の裏の限界からか奈々美は転びそうになり手をついたがパンプスを持っていたので大事には至らない。
彼女は後ろを振り向いて男めがけてパンプスを投げつけたが、それは男の上半身に当たり転がった。

『…このっ!?』
パンプスの事は男の怒りに火をつけただけのようだ。

逃げるの…
駅に帰って急行に乗る…

だがそんな考えの彼女は行く手を男にさえぎられた。
逃げようとする彼女の後ろワンピース襟を持ちスエット男は勢いよく手を下に下ろすと布地はビリビリと破けブラのホックが見えるまでになる。

『!?、いやっ…』
逃げ回っていた奈々美の闘う意志はそこでプツンッと途切れてしまう。

カシャッ、そんな音に彼女は顔をあげて後ろを振り返るとスエット男が彼女を撮っていた。

『…何を…?』
声が震えている。

『さあね、反応が楽しみ〜ぃ、夜はステーキかも〜』
ステーキというとこで男はまた腹を鳴らした。

走ろうとしたが後ろを破かれていてはブラの紐が見え隠れしたが肩にかけているミニカバンに服のずり落ちは免れたが、男に怒りしかない。

ピコン、という音に男は残念そうな顔をする。

『ずりぃ、この女やったらいい事あるような内容で、この男…、近くに、って最悪〜、飯は!?ステーキは!?…クッソ先に女をやればいい話っ』
男はスマホをみて悔しそうに早口でまくし立てる。

なんの事…?
ううん、何も考えないで…

ビリビリビリ〜ッ、歩こうとする彼女の服をスエット男が背中から左右に引き裂いた音だ。

『上下白ってヤベ〜、いいじゃん、いいじゃん』
スエットは口笛を鳴らす。

キュルキュル、バタンとどこからか車が停まる音がしたかと思うとパタパタと走ってくる音がした。

『…!?誰…、スマホの?』
スエット男はそいつを見やる。

『…えっ…』
奈々美はそいつが誰なのか遠くからでもわかってしまった。

たまごホリックの…
何で…
助けに?
ううん、助けられたくない…
だけどこの場合助けてとお願いするしかないのかもしれない…
だけどたまらなくそれは嫌っ!
だけど今はたまごホリックの男にすがるしかないのかも…

助けてと言うべきなの?
奈々美ちゃんって呼んで馴れ馴れしかった男の人の想いに応えるべきなの?…

『間に合った〜』
たまごホリック男が言う。

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