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《愛撫の先に…②》
第6章 この身を持って…
『…ドレス?着させねぇよ』
たまごホリック男は立ち止まり奈々美からドレスを取ろうと手をのばした。

たまごホリック男の指先が後30センチというところで結城が一歩踏み出し奈々美の前に立ち彼の行動を阻止すると、たまごホリック男は悔しそうに舌打ち。

『早く着るように』
結城は急かしている。

それはフワフワとしたレースがいくつもかなさり薔薇のようにも見えなくはない、襟元とスカート部分にあしらわれ胸元はスッキリとしたラインをウエストまでもってきているもので後ろでファスナーをあげ着用する。

光沢があり滑らかであって触り心地は抜群だ。

これを?
ムーンドリームからの電話ってわざわざ注文したという事?
ショーウィンドウでみる高そうなものよりいいような…こんなドレス着られない…
あたしは3980円くらいのワンピースが落ち着くくらいだもん…
こんな高いもの、わざわざ注文なんて…

『奈々美ずっと裸でいるつもりですか?』
急かしている結城。

奈々美は意を決してドレスを身にまとうがファスナーを半分あげたとこで焦ってしまう。

結城が彼女の後ろにまわりファスナーをあげた、その時たまごホリック男がドレスのレース部分を鷲掴みにし力任せにビリビリと破いた。

『あぁ…』
彼女はそれしか言えなかった。

『…なんて事を……』
結城すら唖然とするがすぐにたまごホリック男を睨み返した。

『アハハハッ、最高、最高過ぎる〜、高そうなのに引っ張ると簡単に破けるのなっ、笑える〜、また裸にしてやるよ』
たまごホリック男はレース部分の一部を地面に叩きつけ靴で踏んだ。

『………最低です、君は最低の男ですねっ!我慢の限界です』
結城が拳を握る。

『はっ、あんたが気に入らねんだよ、あんたさえいなければ奈々美はこの俺の事を受け入れてくれるのによっ』
たまごホリック男はそうはき捨てるようにいい踏んだドレスの布地に唾をはいた。

『あなたの言いなりにはなりません』
奈々美は言う。

『退いていなさい、奈々美』
結城は後ろに下がるよう手で示す。

結城さん何を…


結城は上着を脱ぎ奈々美に放った。
それを受け取る彼女はギュッと上着を握りしめた。

『着て向こうにいきなさい』
結城は彼女を振り返り言いはなった。

結城さん…
結城さん…
何を……

『行かせない!、彼女の側にはっ』
結城は闘う姿勢だ。



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