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《愛撫の先に…②》
第7章 迷い…想い…
黙って借りるなんてまるで泥棒だわ…

奈々美はロンTをハンガーにかけ戻し座っていた椅子に座り携帯のとあるサイトを開いた。

彼女が数ヶ月前から日記のようにほぼ願望を書いた小説[蒼い恋人]にしおりが増えている事にふっと小さく笑みを浮かべ1ページ更新する。
批判なレビューのSと面白いというレビューを改めて読み返しSというイニシャルに目を見開いた彼女は首をふった。

このSって…
書き始めの頃翔子に酷くののしられバカにされた事を思い出したのだ。

『もしかしてこのSって翔子さんなの…?』
彼女は携帯を投げようと右手を上げたとこでドアが開いた。

勤務終わりの結城が帰ってきたのである。
奈々美はびっくりし壁にかかった時計を見ると深夜2時をまわっていた。

『俺を待っていたのか?あんな駐車場で君はほとんど全裸だったというのに風邪をひいてしまうからシャワーを浴びたなら休んでいて良いと言わなかったかな?』
結城は奈々美の前へと行き両手で彼女を抱きしめ、震える様子に再び抱き上げベッドにおろした。

『忘れるなというのは残酷だけど眠りなさい』
彼は彼女をみながら上着を脱ぎネクタイをゆるめほどいている。
そんな彼の所作に彼女は色っぽいと思う。

『シャワー浴びたら何か軽いものを作ろうか』
携帯には見向きもしないで彼がバスルームに入っていきシャワーの音がし始める。

奈々美は寝て良いのか悩みベッドに座っていて下着をつけていない事にバスローブやベッドシーツを気にしていた。
投げようとしていた携帯はサイトを開き小説じたい削除し退会する。
面白かったというレビューをくれた数少ない読者さんごめんね、あたしには小説すら書けない駄目な女なの…

数分後目の前に結城が立っていて呼ばれている事に彼女は気づかなかった。
それはつたない小説を読んでくれた読者さんへの申し訳なさから。

『お腹空いて眠れない?無理もない…』
彼は彼女の為にきのこのパスタを作り自分自身はクラッカーにあり合わせのものをトッピングしたものを持っていてそれらをテーブルに置き奈々美を促した。

手をつけない彼女を見て彼はくるくると巻いたパスタを口元にもっていく。

首を振る奈々美は涙を浮かべていた。

『奈々美レイプされた後で食事しなさいと言うのも酷な事、だけど何よりも身体が大事だと思うけどね』
彼は再び口元にやり促す。

結城さん……
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