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第8章 わだかまり…

帰宅しようとしていた女性社員が車からおりた結城をみて色めき立つ。
奈々美が予言を受ける前から結城啓輔は恋を叶えると口コミで噂になり有名人なのだ。
相沢みたいに予言を頼んだ後で彼になった人よりも結城が良くて予言予言だととある時期に結城を追いかけまわしスイートタイムに押しかけもしていた。
有名人とはいえ予言サイトに顔を載せていないので知らない社員はまったく知らないのだ。
ただイケメンなので色めき立つという感じだろうか。

相沢は奈々美に嫌がらせをしていたので奈々美は相沢からも逃げたい、目立つのが嫌だという理由の５０対５０だろう。
ランチ前相沢と高瀬に見え隠れするカットバンで大笑いされた事でもここから去りたいのだ。

『陽子行こ』
普段は急かすタイプではないが今は親友を急かし再び歩き始めている。

男性社員らはチラリと結城をみるが男かよって感じで車へと急いで女達は結城を観ようと周りに集まり始めていた。
そんな中で女性社員が車へと急いでいる。

結城はすぐに気がつき歩き始めた。
相沢が結城の腕を素早く掴むと猫なで声で彼を呼ぶ。

『結城久しぶりね〜、今夜予言してくれない？男友達とのデートはいつでも出来るからさあ、頼んだら抱いてくれんでしょ』
相沢は胸を腕に擦りつけた。

イケメンだと騒いだ女性社員らは落胆の声をあげる。
相沢とのツーショットを観たくないだけなのだ。
願わくば予言予約をして抱かれてみたいという社員もいて視線は結城を追う。

『離してくれたまえ、俺は勤務の間の貴重な休憩時間を抜けて来ているのだから戯言に構って等いられないのです』
結城は腕も胸も振りほどくような形で相沢から離れ奈々美の方へと走っていく。

『ちょっと！結城、寝た仲じゃないっ、予言予約よ？断るの？』
相沢は結城のスーツを掴んだ。


『言ったはずです！俺の車を追いかけまわしストーキングまがいの事酷くあなたに怒った事忘れましたか？』
勤務の休憩に抜けてきた事に奈々美を早くスイートタイムに送りたいとしているのに邪魔が入りイライラしていた。

『合コンに忙しくて高瀬とも遊んで…でも遊ぶのは楽しいけど結城が１番イケメンだから時々寝たいわけ』
相沢もまどろっこしい説明とか面倒で予言を頼んだら寝てくれるなら素直に寝させろというイライラで眉をあげ唇をへの字に歪めた。

撤回したい、あなたではなくあんただ……