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《愛撫の先に…②》
第10章 結城と奈々美
『なんであの白い家に行ったのか、なんてまだ住めると思うからじゃない…あたしの荷物が残っているのになんで勝手に解約なんてしたの?1人でゴロゴロ出来る場所だったのにっ、ひどいっ!』
布団にくるまっていた奈々美は起き上がりベッドに座ったのは話す姿勢が出てきたからだろう。

『俺が君の頭を冷やす為に君から離れた期間ゴロゴロと一人暮らしを満喫していたのか…元々俺と君で暮らす為の家だったのにまるであの家は奈々美の所有物みたいな言い方ですね』
結城はチラッとある方向をみた。

『結城さんがあの家を好きに使えと借りてくれたんでしょ、だからっゴロゴロするくらいなんで文句言われなくちゃなんないの?』
彼女は髪をヘアゴムで結び彼をキッと見据える。

『君は本当にすきなように捉えているんだな、とにかくあの家の契約者は俺だった、解約すると伝えた気がするのですがあやふやですまない……だけど俺はちゃんとすべき事はした後で解約をしている、ゴロゴロしたければこの部屋でするといいっ』
彼はとある方向に足早に歩きそのドアを開けたくさんの荷物の中からひとつの段ボールを取って彼女の前に置いた、奈々美の荷物で結城の文字で衣類と書きなぐった字。

ガムテープを剥がし箱を開けていく奈々美は驚きの表情でTシャツを取り広げ自分のだと確認し結城をみる。

『俺はちゃんとすべき事はした後で解約をしている、仕事をした後で少しずつ君のと置いていた俺の物も荷造りをしていた、夜中に帰って翌朝は6時に起きて洗濯に朝食、君を送ってそれからは仕事…数日それを繰り返し1日1日の境目が分からなくなりそうだった…』
思い出し彼は一瞬目を閉じ思い出しているかのよう。
数日間夜中に帰ってきて軽くつまめるようなサンドイッチ等を食べ倒れ込むかのように眠っていたあの期間の事をいっているのだ。
奈々美が気楽に夕食を食べに行ったりして彼女の夕食がいらないのをわかってか、夜中まで荷造りからのサンドイッチになる。

『荷造りをしてくれたの?…ありがとう、ひどい事を言ってごめんなさい…だけどそれなら解約するとはっきり言ってほしかった』
悔しさと申し訳なさの感情でうつむく。

『言うと君はあの家に通うだろう、落書きをしたあの男がうろつく場所にっ!だからあえて内緒で荷造りを始めた、わからないのか?俺が言いたい事が伝わらないのか?』
荷物を入れた場所のドアを閉めた。
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