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《愛撫の先に…②》
第15章 握る小さな手…
年が明けて新しい年になりスイートタイムもクリスマスの飾りから花やりぼんであしらわれた物が建物の入口から館内を彩る。

1月のとある日結城に誘われファミレスに行くとそこには翔子が待っていた。
ブーツの音が止まる。

何故という疑問符ばかり、嫌な過去ばかりにまわれ右をしたくなる。
前を歩いていた結城が振り返り手を差し出し繋ぐ指先に行かざるを得ない奈々美。

『翔子急にごめん』

『いいのよ、啓輔くん』

慣れ親しい2人の会話をうつむく奈々美の斜め上で聞こえる。

『……こんばんわ、翔子さん…』
ゆううつそうにみたくない顔を一瞬みてそっぽを向く奈々美。

『この寒い1月に蚊でもいたのかしら?奈々美さん』
キッと睨む翔子はフィッと奈々美をみるのをやめメニューと結城をみることにしたのか笑った。

『君達は会っていたのか?仲が悪くみえるけど……』
結城が2人をみて怪訝そうに顔をしかめる。

『ばったり会う事が多かっただけなのよ、啓輔くんあの人が私を睨むからみているだけ…今日は2人でのご飯じゃないの?帰ろうかしら……』
結城をみる翔子。

『翔子らしくない、いつも優しい君が何故奈々美を睨む?』
ため息の結城。

『優しいわよ、わたし。だけどこの人がみるからみているだけ…』
また同じ事を繰り返す。

『あぁ、わかった、ご飯でも食べながら話そうと思っていたのに…翔子、俺はこの娘と結婚する…その事を報告して奈々美を紹介するつもりで食事に呼んだのに…何も注文してなくて良かった…店を出よう』
結城は財布から3000円を出し翔子の目の前に置いた。

『!?ちょっと啓輔くんっ?あたしそんなつもりじゃ…3000円これでご馳走したつもり?1人のディナーなんてみっともないからっ』
席を立ち翔子は札を持ち後ろを向く結城に叫んだ。

『まったく叫んだりなんかして見世物ではない…翔子』
大袈裟にため息をつき席に戻る結城。
最悪と思う顔を我慢する奈々美。
翔子は結城が席に戻ってくれた事に安堵するも奈々美に対しては顔をみようともしない。

お金は翔子が結城に返し、皆それぞれ食べたい物を頼み翔子は結城に喋りかけ奈々美は黙々とハンバーグをほおばりご飯を食べスープを飲んだ。

2人熱々のグラタンなんて頼まなきゃいいのに…
猫舌でなければサッサッと食べれるのに喋ってないで早く食べちゃってよ…

そう奈々美は思ってた。
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