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《愛撫の先に…②》
第15章 握る小さな手…
頼んだものはグラタンだけではなくハンバーグやピラフ、デザートまであった。
この場を早く逃れたい奈々美はハンバーグとご飯とスープをサッサッと食べ結城と翔子が話ながら食べている様子にイライラしていた。

翔子さんの顔をみなきゃいいのよ…

『奈々美物足りなかったら頼んでいいんですよ』
結城が気づかう。

『子供ではないのだからそんなに言わなくても勝手にするでしょ?』
翔子がハンバーグを頬張りながら言う。

悪夢とも言うような時間が終わり結城がカードで会計をしている、翔子はちゃっかり結城の側にいて誰が誰の恋人か周りからみるとわからないであろう。
一刻も早く出たい気持ちを我慢して奈々美は心の中で落ち着くように数を数えていた。

外に出ると結城は翔子の車の前までついていきもう一度奈々美の肩に手をまわし翔子に結婚の報告をした。
『将也と親友だから将也とつき合いは長い、父親の中谷さんは俺にとって父さんがわりだし式にももちろん呼ぶ、翔子…奈々美と仲良くしてやってくれないか…将也も中谷さんも俺はもっともっとつきあっていきたいから…』
結城は翔子に握手を求めた。

『奈々美さんが睨まなければわたしは全然仲良くして差し上げてもよくってよ』
まるで高いところから奈々美をさげすむように翔子が観察、そして穏やかそうに結城には握手する。

『っとに君等は何があったというんだい……帰り気をつけて翔子』
結城は車に乗り込む翔子に手をあげた。

ワインやビール等は飲んでいない為に結城は車のエンジンをかけ渋滞の国道にゆっくりと進み入り込む。

『奈々美…あの場が嫌だったのなら謝る…すまない…』
その気持ちの表れなのか結城が奈々美の右手を包み込む。

『親友の友達の奥さんなんだからあたしはいいの…ハンバーグを飲み込みご飯を食べスープで流し込むように急いで食べても…別に構わないの…』
消えいるような声色だ。

ハンバーグ本当は上手く焼けていて味わってゆっくり食べたかったのに…
だけど翔子さんの顔をみたくないから急いだの…

『君等が知り合いだったとは……すまない、何故か本当にすまない…結婚報告だったのに険悪なムードのようで…』
信号で停まった時結城が奈々美の頬にそっとキスをした。

その軽いキスだけで奈々美の我慢は崩壊し泣き出した。

いいの…
翔子さんが睨んでも啓輔さんのキスであたしは勝ち組に変わるの…
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