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《愛撫の先に…②》
第15章 握る小さな手…
✜ ✜ ✜

その10日後、アサヒコーポレーション。
午後からの勤務中奈々美は後1時間経てば終業という時パソコンを打つ手を止めトイレに行った。

用をたしにではなく洗面台に手をついて気を落ち着かせようとしている。

ヒールの音が聞こえ入ってきたのが相沢だとわかるとまるで用をたしたみたいに手を洗いハンカチで手を拭き仕事に戻る奈々美。

なんだか身体がほてるように暑くて吐きそう…
早く帰りたい…
横になりたい…
相沢さんが入ってきて何事もなかったようにトイレを済ませたように装ったけどギリギリだったの…

終業の17時。
パソコンを閉じ奈々美は1番先に部署から出て着替えエレベーターへと急いだが急いでいる時に限って遅く感じる。

着替えた陽子が走ってきて奈々美の肩に手をつく。
『どうしたの?急いじゃって…いつもみたいにスイートタイムに送るよ』

『あの…暑くて吐きそうなの…だから車には乗れない…』
小声で耳打ちする。

『!?えぇっ…それってつまり…結城…知ってるの?』
大声になりかけ周りを見渡し小声になる陽子、同棲してるのでそういう情報を知った上でセックスしているので知識だけはわかるのだ。

相沢が後ろに立っていてそれ以上話す事が出来ずに陽子が奈々美の手をとり駐車場へと向かう。

助手席のシートを倒し彼女は奈々美を横にならせ吐いてもいいようにティッシュの箱を持たせてやる。

『遥斗少し遅くなるかも、夕食はカレーでいいね』
短く遥斗に連絡を入れる。
シートベルトをして手早く駐車場から国道に出る陽子はチラチラと奈々美を気づかう。

スイートタイムの駐車場に車を止め陽子は短くメールを打つ、相手は結城だった。
『奈々美妊娠したかもしれない、いつもみたいにスイートタイムの駐車場にいるわ』

メールにした意図は結城が勤務中でありそんな中で奈々美をかかえてスイートタイムに入って行くべきではないと察したからになる。
フロントを抜け出し来るも来ないも相手次第というわけだ。

3分後動揺した結城がスイートタイムの玄関のわずかな階段を駆け降りまっすぐ陽子の車まで走って来る。

『陽子さんすまないっ…奈々美は?』
心配そうに覗き込み奈々美を確認する。
膝に両手をあて崩れ落ちそうなくらい肩の力も抜けるかのように安堵した。

『明日は休んで産婦人科に行ってあげる事を勧めるわ』
陽子が笑みを浮かべる。
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