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《愛撫の先に…②》
第1章 あたし磨き
菜々美は再び後ろに来た結城を意識しながらも、
先ほど削除した女のレビューを気にしていた。
結城さんが読む前に削除出来て良かった!
だって傷つくものっっ!
バッグを渡して結城さんの事を悪く言わないようお願いするのはあたしだけ!
上品そうできつそうなあの人にどんな意見をすればいい?
『菜々美?』
前を向いているが心ここに在らずのような彼女はパソコン画面すらも見ていない。
【友達につき合って泊まったホテルですがレストランの食事も美味しく、
19階の娯楽ルームもいろいろあって時間を忘れるくらい長居しました。
フロントで優しく微笑まれていた結城さんのファンになりましたから先ほどの中傷レビューに腹が立ちます!
かばう彼女に嫉妬しますがレビュー返しにスッキリ!
時々あるあんなレビューは邪魔だと思っていましたがたった今削除されたんですね!
良かった!
彼女である女性の勇気と正直な文章に感銘をうけました。
スイートタイムファンより】
予言を望む女達からの菜々美への中傷の中そんな書き込みが入ってきた。
結城はそれを怪訝そうな顔つきで読みホテルサイトから違うサイトへと変える。
『通販サイトでも見るといい、菜々美――菜々美?』
『―――?』
菜々美はうつ向いていた顔をあげパソコンを見つめる。
『通販?』
両肩に手が置かれ菜々美は両方の手を見やり衣服から伝わるぬくもりにドキドキした。
『あの…』
『君は浮かない顔をして仕事するのですか?』
『ううん』
『さっきから何を考えている?』
『!……何も』
『!!―――ふぅん』
結城の声色が変わる。
膝の上の菜々美の手は何かを考えるように握りしめられ一向にマウスを動かす事もなく5分が過ぎ、
両肩の手はぎゅっと衣服にしわを作るかのよう。
『終わりにしよう――』
冷たく言い放つ結城に菜々美は再びハッとするかのよう。
『なんで?』
『名前を呼んでも質問をしても上の空でマウスにすら触れない。
先ほどカタカタと慌てるかのようにやっていた時と違ってねっ!』
見ていたの!?
『俺の眼はふしあなじゃない――…』
彼女の耳元の数本のポニーテールにならなかった毛先をくるくると指先に巻きつける結城に心拍数があがる菜々美。
結城さん怒ってる?
きっと睨んでる……!?
でもそんな結城さんも素敵だと思うの…
先ほど削除した女のレビューを気にしていた。
結城さんが読む前に削除出来て良かった!
だって傷つくものっっ!
バッグを渡して結城さんの事を悪く言わないようお願いするのはあたしだけ!
上品そうできつそうなあの人にどんな意見をすればいい?
『菜々美?』
前を向いているが心ここに在らずのような彼女はパソコン画面すらも見ていない。
【友達につき合って泊まったホテルですがレストランの食事も美味しく、
19階の娯楽ルームもいろいろあって時間を忘れるくらい長居しました。
フロントで優しく微笑まれていた結城さんのファンになりましたから先ほどの中傷レビューに腹が立ちます!
かばう彼女に嫉妬しますがレビュー返しにスッキリ!
時々あるあんなレビューは邪魔だと思っていましたがたった今削除されたんですね!
良かった!
彼女である女性の勇気と正直な文章に感銘をうけました。
スイートタイムファンより】
予言を望む女達からの菜々美への中傷の中そんな書き込みが入ってきた。
結城はそれを怪訝そうな顔つきで読みホテルサイトから違うサイトへと変える。
『通販サイトでも見るといい、菜々美――菜々美?』
『―――?』
菜々美はうつ向いていた顔をあげパソコンを見つめる。
『通販?』
両肩に手が置かれ菜々美は両方の手を見やり衣服から伝わるぬくもりにドキドキした。
『あの…』
『君は浮かない顔をして仕事するのですか?』
『ううん』
『さっきから何を考えている?』
『!……何も』
『!!―――ふぅん』
結城の声色が変わる。
膝の上の菜々美の手は何かを考えるように握りしめられ一向にマウスを動かす事もなく5分が過ぎ、
両肩の手はぎゅっと衣服にしわを作るかのよう。
『終わりにしよう――』
冷たく言い放つ結城に菜々美は再びハッとするかのよう。
『なんで?』
『名前を呼んでも質問をしても上の空でマウスにすら触れない。
先ほどカタカタと慌てるかのようにやっていた時と違ってねっ!』
見ていたの!?
『俺の眼はふしあなじゃない――…』
彼女の耳元の数本のポニーテールにならなかった毛先をくるくると指先に巻きつける結城に心拍数があがる菜々美。
結城さん怒ってる?
きっと睨んでる……!?
でもそんな結城さんも素敵だと思うの…