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《愛撫の先に…②》
第15章 握る小さな手…
『…奈々美?』
眠そうに寝返りをうちまばたきをし5秒後くらいに理解し支度して15分後にはスイートタイムを出て〇〇産婦人科へ向けて車を走らせていた。

奈々美の為につきっきりで、または入れ替わりでついていてくれる産婦人科の人々、そして結城。

『啓輔さん少し寝た方が…』
陣痛の間隔が少し一定になってきた頃奈々美が気づかう。

『君の痛みに比べれば寝てないくらい…スイートタイムへも先ほど連絡をいれると皆で俺の代わりもカバーしてなんとかまわせている…大丈夫だ』
白いTシャツにブルーの長袖シャツに黒のチノパンにラフな黒の靴という彼が、ベッドの側の椅子に座って彼女の手にそっと触れ笑みを浮かべる。
奈々美はといえば淡いブルーの長袖マタニティを着ていたが院内の衣類に着替えこうして陣痛の間隔に耐えている。

13時を過ぎていた。
間隔が短くなるにはもう少しかかる、そして初産という事で明日になるからご主人さんは仮眠をとっていいとの助産師さんらの勧めで結城は仮眠とシャワーの為に席を外す。

そして日付が変わって1時そっと結城が産婦人科の奈々美が寝ている病室に戻ってきていた。
ベテランの助産師は夕方までかかるという予想だという事に奈々美は結城の手を握り、彼は彼女の額や頬、顎の汗をあらかじめ濡らし絞っていたタオルで拭いてやる。

そして奈々美の両親・結城の母が待合室で待機する中、分娩室で結城立ち会いの元奈々美は2800グラムの男児を出産したのはその日の夕方18時を過ぎた頃。

ぐったりとした奈々美の顔は疲労の色が隠せないながらも結城の手を探し握った後1筋の涙。

『頑張りましたね、奈々美』
結城はそう言い彼女の髪を撫でた。


そして数日の入院。
こわれそうな赤ちゃんに母乳をあたえる奈々美の側で珍しく結城が照れる。

『啓輔さん?』
奈々美は結城と赤ちゃんを交互にみていたからだ。

『母乳って女性が妊娠すると身体が準備し始めるのもそうですが出るまで夫の手助けが必要なんだという事が思い出されて…今更ながら照れています…』
頬を染め奈々美の髪に似た栗色の赤ちゃんの柔らかな毛先に触れる。

『啓輔さん……』
奈々美も思い出し赤くなる。

少ししか飲みきれず赤ちゃんが泣き奈々美は慣れない手つきでトントンと小さな背中触れケップを出す。

『奈々美待って…』
結城は両方の乳房と乳首をタオルで拭い取る。
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