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《愛撫の先に…②》
第1章 あたし磨き
『手伝うと言ったあたしなんかお呼びじゃないって訳よね〜』

『違うわっっ、
結城さんが来たのはあたしの悲鳴を聞いて…』

『悲鳴だけで?羨まし〜』
『マンション近くにいただけだから、羨ましがらないでよ』

『いいの、いいの。
あんなイケメンに想われるのってどんな感じ?』
『イケメンだけど恋をすればみんなと変わらないわ…』

『変わるわ、
みんなの結城さんが菜々美だけの結城さんになるのよ。
羨ましいわ』
『あたしだけの結城さんっていうのは言いすぎ』

『予言をやめたんだから菜々美だけの結城さんよ、
ゆっくり首すじにキスマークつけるくらい時間に余裕が出来たっていうか』

『キスマークから意識をそらしてよ』

『襟元ギリギリって位置が結城さんらしいわ、
彼としては見せつけたいけど菜々美を思って敢えて見えそうで見えないピンポイント的な。
菜々美は結城啓輔のモノっていう主張ね』

『澤井くんだってキスマークつけるでしょ、
それと変わんないわ』

『予言をやめた結城啓輔の愛は菜々美に来るのよ、
羨まし過ぎるっっ』

コピーを待ちながらそんな話をしていた。

あたしだけの結城さんか…―――


……
終業時間ギリギリに間に合った菜々美は保存をかけた上で課長宛に送信し帰宅する。

『泊まりにきちゃった』
菜々美は一泊用の着替えが入ったバッグを抱えスイートタイムにいた。

きちゃった…
結城さん…
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