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《愛撫の先に…②》
第1章 あたし磨き
脱衣室から1時間後風呂あがりの菜々美は結城にお姫さま抱っこをされベッドに降ろされ抗議の声。
『足も捻挫はしていないわ、大丈夫だから』
『寝ていなさい』
『でもっ』
『でも?何ですか?』
『何でもない』

昼間ぶざまに転んだ菜々美だが捻挫はしていない、
だからこそ歩けるわけで。
でもあたし…大切にされていると思っていいの?
小説や漫画でよく溺愛ってあるけどあたし甘やかしに慣れていないっっ
気持ちくすぐったいような…

『何をはにかんでいる?』『慣れていなくて』
『…君らしい、だが慣れるといい』
結城は菜々美の側を離れいつものようにパソコンを立ち上げていた。

携帯から着信があり充電していたテーブルの側から結城がベッドまで持ってくる。
『メールらしいね』

【足はどう?
しっかり甘やかされたらいいわ】

陽子…
なんだかくすぐったい…
あたしも結城さんに何かをしてあげたい…

あなたはいつでもあたしをなだめるかのような?
せつない…
1人の女としてあなたの力になりたい…

返信を送り携帯小説のサイトを開きラブストーリーの続きを自らの気持ちを代弁するかのように書いていた。

30分たった頃突然手を止め削除を押そうとする菜々美。
『…ん〜』
『菜々美?楽しそうに打ったのに何故?』

『これもあたし磨きのつもりで始めていたから…
必要ないのよね?だから』
『菜々美が楽しそうな顔をするなら削除なんてしなくていい』

ベッドの横に立ちニヤニヤと笑う結城に菜々美は赤くなる。
いつから見ていたの?

『携帯小説?君もなのか、女の子は好きなんだね。
いつか見せてくれるかな?君の想いを――…』

結城さ〜ん…
これっていわゆる妄想だから…
ヒロインをあたしに重ねたラブストーリー…
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