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《愛撫の先に…②》
第1章 あたし磨き
『結城さん、また…コンビニから走って?
相沢さんにつけられたの?』

チャイムを鳴らす前に息をととのえたような?
抱きしめられ胸元に押しつけられた時に感じた、
結城さんの速い鼓動の動きでわかる。

『ああ…今夜もスイートタイムからつけられていたから…心配しなくていい』

『でもっ』

『マンションからコンビニまでたいした距離じゃない』
『朝もそのせいで10分早く出勤しているわ』

『スイートタイムの勤務時間には間に合っている』

『平気な訳ないっ』

『君を守る為――
その相沢という女は君に何かしてくるかもしれないから…ここがバレてはいけない気がしている』

『あたしがスイートタイムに住めば追いかけられる事もなくなるわ』

『君が待つ、この雰囲気を楽しんでいたいのに?』

『………』

あたしが待つこの雰囲気を楽しんでくれていたの?
キュンとする…

『菜々美空腹なんだけど…』

玄関でのあつい抱擁から2時間後、
風呂も済ませた2人はリビングにいた。

『これは?』
菜々美はパソコンの側に置いてあった紙を手にする。
『この騒ぎで新しいマンションに引っ越しも良いかと思って…』

スイートタイムとこの場所の間に点在するマンションの見取り図らしい。

『あたしスイートタイムが好き』

そして結城さんに通勤時間の負担をなくしてあげたい…

『菜々美はギリギリまでベッドにいたいのですか?
…ふふっ――』
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