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君を好きにならない
第1章 へぇ〜 平塚真琴さんって 真琴くんだったんだ〜


「わ、わかりました

で、でも
あ、あの…向井さん」



「ん?」



「でも、僕

い、いや
ダメだ

やっぱりいいです

で、でも
このままじゃ、もう…

どうしよう…」


はぁ?


真琴は
なにやら
ぶつぶつ呟きながら
こたつに突っ伏した


「なんだよ
言いたいことあんなら
ちゃんと言え」


「で、でも…

そんなこと
まだ
知り合ったばっかりだし

僕から
そんなこと

ほんと

言いづらくて…

でも
どうしようもなくて

頑張りたいんですけど

もう

もう…

もう
我慢の限界なんですっ!」



なっ…


真琴は
突然顔を上げて
俺を見つめ

真剣な顔で


ちょっと


目を潤ませた



が、我慢できねぇとか

そ、それは



俺のセリフ



い、いや待てよ
仕事はこれからなんだ

ダメだ


まだダメなんだよ

真琴


「真琴…」



「向井さん…」


っ…

お、お前…



そんな
物欲しそうな顔
すんじゃねぇよ!


切ない顔
すんじゃねぇ!


そんな
どストライクな
顔、すんじゃねぇよ


「ま、真琴…」


無理だ

もう我慢の限界


「はい…」


少しくらいなら…


「ちょっ…ちょっとなら…」


「え?」


真琴は
期待で胸いっぱいの顔で
俺を見つめた


「ちょっとなら

まぁ…いいかも?」



「あっ…ありがとうございますっ!!!」


「わっ、お、おいっ」


真琴は
突然俺の手を握りしめ
その手を自分のおでこに
くっつけやがった

い、いきなり?

すぐ?

もうこれから?


てかさ

てかさ



ちょっとって
どこまでだよ〜〜!!!



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