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君を好きにならない
第3章 誘ってんのか?
「そんな作家のために
家にも何枚かDVDあるから
貸してやってもいいけど
本格的にヤってる以前のことってのは
需要がねーから録画されてねーしな・・・」
「そうなんですよね・・
だからさっき
観察してたんですけど」
「で?」
「ちょっとはインスピレーションわきました。
例えば、後輩に教えるとき
先輩の立ち位置が、あ、向井さん
ちょっと立ってもらっていいですか?」
「あ?あぁ」
言われるがままに
その場に立つと
真琴は俺の背中側に立って
俺の背中に寄り添った
「こんな感じで
わりと接近したまま
細かい作業の説明してたんですよ。
そーゆーのから入っていくの
いいと思ったんですよね。
メーカーのボタンとか
こんな風にやってて・・・」
真琴が先輩
俺が後輩
真琴は
俺の背中に胸を付けて
両手で俺の腕を握りしめた
背の高い真琴の息遣いが
聞こえそうな
いや
吐息を感じそうな・・距離
振り向いたら
口づけられそうな・・近さ
タチなせいか
こんな立ち位置に
立たされたことのない俺は
一気に身体が熱くなるのを感じた
「・・どう思います?向井さん
向井さん、聞いてます?」
あ、ごめん
聞いてなかった
感じてた
「お、おぅ、聞いてるって。
いいんじゃないか?」
聞いてなかったけど。
「よかった、じゃあそうしますね!
すごく描写しやすくて安心しました。
前までは友達にやってもらったりしてたんで
困ってたんですよね・・」
?
友達にやってもらった?
「担当が向井さんで本当によかったです。
じゃあ早速なんですけど
逆、お願いしてもいいですか?
僕の書いてるの後輩目線なんで」