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第3章 初詣
1月1日。
朝10時に美佳ちゃんと待ち合わせ、神戸の湊川神社に初詣に行く。

三宮の生田神社と長田神社と併せて神戸三大神社と言われるだけあって、すごい人だった。
この地で没したと言われる南北朝時代の武将、楠木正成公を祀っているらしいけど、日本史も世界史も苦手だった俺は、戦国武将ならまだしも南北朝なんてさっぱりで。何をした人なのか全然知らない。

美佳ちゃんとはぐれないようにしっかり手を繋いで。人ごみの中では庇うように後ろから抱きすくめるような感じで、少しずつ歩いた。

やっと順番が来て、お賽銭を入れ、柏手を打つ。
お賽銭て100円玉とかしか入れたことなかったんだけど、財布をあけたら1円玉と500円玉しかなくて。
さすが に1円て訳にもいかないし、今から両替もできない…500円玉を賽銭箱に投げ込み、ちょっと大きなことを願ってみよう、なんて貧乏根性が出る。

『美佳ちゃんと、結婚できますように!』

心の中で祈りながら再び柏手を打ち、次の人に順番を譲って横にずれる。
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