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秘めごと
第2章 開花

ガタンゴトン

規則的に揺れる車両。
何でもない会話をする時間も、こういう私には刺激的で。
学校にこのまま着くのが惜しい、と少し思い始めていた。

『この先少し揺れますので、お気をつけください』

アナウンスから数秒後、ガタガタと大きく揺れる車両。後ろから誰か倒れてきたのか、柏木さんと私の距離がグッと近くなった。

「苦しくない?」

「は、はぃ」

正直顔を上げれない。
今までの楽しかった気持ちが急に小さくなる。
変わりに胸がドキドキしはじめた。

(あ…柏木さんの匂い)

近づいて分かる男の人の香り。
昨日の映像がフラッシュバックしていたたまれない。顔が熱い。

ズクン…


(ぁ…また)

忘れかけた感覚が体を支配する。密室のムワっとした熱気が手助けするように、体の熱が高まる。
やがて感じる下半身の痒み。
ジワジワとせりあがってくるナニかに、泣きそうになった。

「…茜ちゃん?どうかした?」

心配そうに覗き込んでくるその視線に耐えきれず、私は視線を落とした。

そこには彼の…

(あっヤダ…)

まるで顔を固定されたように彼の股間から目が離せない。
昨日の男性と重ねてしまう。

(あぁ…アキのアソコに昨日男の人のアレが)

段々と息が熱くなり、足がガクガクと笑い出す。

「カシ…ワギ…サ…柏木さ…」

「どうしたの?気分悪い?」

本格的に心配しはじめた彼に、周りの乗客もわずかに視線を向ける。

「タスケ…テ…カシワギ…サ…」

「ん?何でも言って?」



優しく微笑まれて、我慢していたものが溢れそうになった。

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