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嫌いじゃなかったの!?
第6章 5ページ目。





実は『爛漫』の作者の宮脇文也先生は他の出版社の雑誌で妖怪ものな漫画を描いていたそうだが、それが完結するやいなや、編集の三河が週刊ボーイズに来てくれと口説き落としたんだそう


新しく始まる雑誌には、有名な作家さんがいてくれると心強い


それにしても三河さんのシワシワなシャツ…


「泊まられましたか?」


と私が聞くと、


「恥ずかしながら」


と三河さんは頭をかきながら照れ臭そうに笑った





1人の編集者は大体2、3人の作家さんを担当している


作家さんでも色々な人がて、ちゃんと締め切りを守れる人とそうでないか、ギリギリの人がいる


宮脇先生はというと、後者になるらしい


ベテランであってもこれは仕方ないこと


それで今までいい作品を世に生み出しているわけだから結果オーライというわけだ






「お疲れ様です、眠いかもしれませんが打ち合わせはしっかりとさせていただきますよ」


と私が言うと


「杏子ちゃんのそういうところ君が新人の頃から全然変わってないね、なんだか懐かしいな」


と三河さんはくしゃっとした笑みを浮かべた


三河さんのこういう普段は大人っぽくてしっかりしているけど、少年のような笑みを浮かべて笑うそんな姿に女性達は虜になったに違いない


しかも博識でお話ししていてとても面白いし、学べることも多い


それでいて、他の雑誌で連載をしていた宮脇先生を口説く落とす熱心さ


私の憧れる先輩の1人でもある


私だって、全く編集者になりたくないと言ったら嘘になる


仕方なく営業部を希望したわけでは断じてないけども。


もしそんな機会があったならこの人のようになりたいと思える





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