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嫌いじゃなかったの!?
第6章 5ページ目。
そのあと私たちは30分ほど打ち合わせをした
「じゃあ、このくらいでいいかな?」
「はい、じゃあ宮脇先生に単行本の表紙の話、お願いします。デザイナーさんには連絡とってみます!」
「うん、そこらへんは任せたよ」
そういって私が編集部を去ろうとした時
「あ、杏子ちゃんと話したいことがあるんだった!エレベーターのとこまで送るよ」
「私に話したいことですか?」
そういうと三河さんは歩き出した
私も三河さんの後ろについていく
ちょうど編集部のある部屋から出たところで
「あそこでは話しにくいことだから」
と、話し始めた
なんのことだろう、そう思い訝しげに三河さんをみる
「ねぇ、買った?グルカゴンの最新巻!」
「あああ!!買いました!!もう!すっごく面白かったです!」
私は三河さんのさんの言葉につい興奮してしまった
『グルカゴン』とは近代社から発売されているアクション漫画
私はこの漫画を三河さんに教えてもらい、それ以来私の好きな漫画ベスト3にランクインしているほどである
確かに、他社の漫画の話を編集部ではできない
なんせ週刊ボーイズのライバル雑誌に掲載されている漫画でもあるからだ
「前巻であまり動かなかったストーリーが一気に進んで、アクションシーンも盛りだくさんで、あっという間に読んじゃってましたよ!」
「わかるわかる、もう、この話できるの杏子ちゃんだけだよ!」
「私も三河さんとしかこの漫画の話できないんですよ!結構あの漫画は好き嫌い分かれますよね…。」
「そうなんだよねー、まず絵に癖があるからねぇ」
「そこがいいところだと思いません?」
私達はつい白熱して話してしまった
いつ以来だろうか、こんなに熱く語り合ったのは
あまり熱く語ったりすることがない私だが、久々に興奮してしまった