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嫌いじゃなかったの!?
第7章 6ページ目。






「いやぁ、あれは欲求不満としかとしか思えない襲い方でしたよ…」



私は京都でのことと、先日のトイレでのことを思い出していた


「ううん。男が本当に性処理の為だけに抱く時はそれはもうひどいものだから。」


松田さんは怒ったような表情でそう言った


松田さんのその言葉に、ズキンと胸が痛む。


そうだった。私はそれを身をもって体験していた。


そうだ、『あの人達』がしたようなやり方が性処理の為だけのものだ。


でもそれに比べたら佐伯さんは、優しく口付けをして、愛おしそうに私を見つめて、強く抱きしめてくた


どうして気づかなかったんだろう。


それに気づいた途端、どこか「本当に私のこと好きなの?」と佐伯さんを疑ってしまっていた自分が恥ずかしくなった


そして同時に胸がしめつけられた


私は恋をしたことがないから、どうしていいかわからない。


毎度毎度「恋をしたことがないから」というのを理由にするのはどうかとは思うけれど。



こんなにも佐伯さんは私に愛を伝えてくれているのに、私は何もすることができない。




「私は、どうすればいいんでしょう…」


ふいに口からこぼれた言葉。


それに松田さんは微笑んで


「杏子ちゃんを大切にしてくれる人を選びなよ。凌だけじゃなく、古川先輩も杏子ちゃんのことを大切に思ってるよ!」


そう言った


どうしてそこで蓮が出てくるんだろうか


それでも、その優しい物言いに安心した。


悩んでいることを相談したくなる。そんな魅力が松田さんにはあるように思えた。


こういうところに、真希ちゃんは惚れたのかもしれない。


チャラチャラしているけれど、芯がしっかりしてて、やるときにはやる男、という感じだ。


蓮と佐伯さんと知り合いなのはいいが、なぜその2人と私が関係があるのか知っているのかはこの際聞き流しておこう。


今度、直接本人達に聞いてみようと思う。




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