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嫌いじゃなかったの!?
第7章 6ページ目。

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真希ちゃんと松田さんと会った日の次の日。
私は佐伯さんを会社の休憩スペースに呼び出していた
「あ、おはようございます。真嶋さん。僕を呼び出すなんて珍しいですね」
そう言って爽やかな笑顔で休憩スペースのガラス扉を開いて入ってくる佐伯さん
あ、朝から爽やかすぎて目が眩む…
太陽と同じくらい光ってるのではないだろうか
会社内にこんな光源があるなんてたまったもんじゃない
そんなことを思いつつも、私も負けじと営業スマイルを出して「おはようございます、佐伯さん!」と挨拶をする
そんな私に佐伯さんは楽しそうに、笑って
「そんな笑顔したって俺からは何にも出ないよ。今は」
そう言った
最近私の前では営業スマイルをしなくなった佐伯さん。
私に心を許したのだろうか?
それなら、少し嬉しいなぁ。なんて思っちゃったりしてる
松田さんと話していて感じだが、私の心は確実に佐伯さんに傾いてしまっている
これは認めざるおえない。
だって、いつの間にか佐伯さんのことを考えてしまっていて、小説のキャラクターのイメージを佐伯さんでしてしまっていた
でも私はいまだに思うわけだ
生まれたばかりのひよこは生まれて1番初めに見たものを親だと認識する
それと同じように、初めて私を優しく抱いてくれた佐伯さんを、男女の色事に関しての嫌な思い出を払拭してくれた佐伯さんを
初めて、私のことを好きだと言ってくれた佐伯さんを
親というか、そういうフィルターがかかってしまって、特別な感情を抱いているのかもしれない、と。

