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嫌いじゃなかったの!?
第7章 6ページ目。

「昨日、松田朔太郎さんとお会いしたんです。松田さんの彼女と私が知り合いで。その時に私が松田さんは私と佐伯さんが知り合いだということを知っておられたのですが何故でしょう?」
松田さんは、知り合いなんでしょ?としか言わなかったが、本当はそれ以上のことを言っているかもしれない。どうしてもそれが気になる。
しかも、あの!顔くっつけて撮った写真が!流出して!
松田さんは蓮の部下らしいし蓮に見られでもしたら…
まぁ、別にどうなるということはないかもしれないけれど、心配をかけてしまうかもしれない。
蓮は少し私に過保護なところがあるし
「あぁ、サクが言ってましたよ。『お前の好き人可愛いな』って。おしゃれして行ったんでしょ?その姿を僕より先にサクに見せたのはちょっと嫉妬しますけど。」
さらっと、私がすぐには理解できない、私にとっては照れてしまうようなことを言った。しかし、それは私の問いへの答えにはなってない。
「え?あ、いや、今そんなこと聞いてるんじゃ「僕の好きな人ってことで紹介しました。絶対この人を振り向かせるって。」
「なっ…」
そんなことをさらりと言えてしまうあなたもあなただけれど、「好きな人」というワードでいちいち胸がドキンッと跳ね上がる私も私だ。
慣れていないのよ!こういうの!
「そ、そそうですか。」
平静を装って(つもり)私は「朝から呼び出してすみません」と言い、休憩スペースを後にしようとすると、突然後ろから抱きとめられた
「さ、佐伯さん!?」
この前あんなに約束したばかりだというのに、またこの人は…
「佐伯さん。会社ではダメって…」
私は私の体に絡みつく腕を解こうと腕に触った時、異変に気付いた
「佐伯さん、体温熱くないですか?」
少し経つと、佐伯さんと触れ合っている私の背中もじんわりと汗ばむほどに熱くなっている
「すいません。約束したばっかりなんですけど、今なぜか真嶋さんの温もりが欲しかったんです。なんか今日寒くて」

