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嫌いじゃなかったの!?
第7章 6ページ目。

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午後は打ち合わせと、会議と、突然入った部長のお供でほとんどオフィスにいなかった
佐伯さんに「なんかあったら言ってください」と言ったけれど、何の役にも立たなかったことになる。それはなんだか申し訳ない
まぁ、本人は「午前には治る」と言っていたから、私はそれを願わずにいられない
「ただいま戻りましたー」
私と部長がオフィスに戻ったのは17時半前
今日は残業もないことだし、直帰してもよかったけれど頭の隅でどこか、風邪気味の佐伯さんが心配だった
私が自分のデスクまで行くと、午前中にはつけていなかったマスクをして机に突っ伏している佐伯さんがいた
「佐伯さん!?」
私が驚いて声を上げると、佐伯さんの正面に座っている石川さんがひょこっと顔を出して
「お昼までは、咳しててもなんとか仕事してたんだけど、午後からしんどそうでねぇ。でも何気仕事は片付けてるから、残ってるのは明日でいいよって言ってるんだけど、歩くものしんどそうでさ」
と、心配そうに言った
「そうなんですか…」
やっぱり、午前中だけでは治らなかったようだ
病人は絶対安静で寝ていないといけないのに、このまま歩けもしないでここに泊まって、ソファーでなんて寝たりしたら悪化してしまう
しかも、佐伯さんは営業部の主力戦力になりつつある。
ここで、風邪を長引かせて長期で休まれるのはなかなかの痛手。
だからと言って風邪気味でも来い!とは言えない
みんなに移してしまう可能性もあるし、何よりもそんなことでは仕事が満足にはできない。

