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嫌いじゃなかったの!?
第7章 6ページ目。

「ひ、一人暮らし!?」
私は即座に佐伯さんの母親の事情を思い出し胸が痛くなったが、すぐに私の頭にはたくさんのはてなが浮かぶ
父親は?とか、親戚は?とか
しかし、このはてな達は随分と佐伯さんに踏み込んでしまっている内容で、聞くのを躊躇った
もしかしたら宝くじでも当たったのかもしれないし、まぁいろいろと事情があるんだろう
佐伯さんは私の驚いた声に
「1人だともったいないくらい広いですよ」
と、佐伯さんは答えた
「そ、そうなんですね」
そう答えてから私が黙ってあれこれと想像していると
「何も聞いてこないんですね。そんなに俺のことに興味ないの?」
佐伯さんは掠れた声で聞いてきた
そして、熱で少し潤んだ瞳が悲しそうに見えたのは気のせいか
そんな瞳で見つめられたらなぜか罪悪感が湧いてきて
「そういうわけではないんですよ!プライバシーに関わることをそんなにずけずけ聞けないです。私は佐伯さんを無事送り届けるのが任務なんですから、それ以上のことは出来ないです。」
私がそう言うと佐伯さんは微笑んで
「真嶋さんのそういうとこが好き」
と言って私をギューっと抱きしめた
密着した佐伯さんの体は熱くて、それでいて心地よくて
このままずっとこの胸の中にいたい
そう願う気持ちの正体が私にはわからなくて
それを紛らわすように、「一人暮らしならやっぱり薬とか栄養のあるもの買ってこなきゃだ」なんてことを考えていた

