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嫌いじゃなかったの!?
第7章 6ページ目。
私が寝室に戻ると佐伯さんはベットで横になっていた
これでゆっくり休んで元気になってほしい
「佐伯さん冷えピタ貼りますね」
そう言って私は佐伯さんの少し汗ばんだおでこに冷えピタを貼った
冷たいのが心地よいらしくて、気持ちよさそうにしている
よし、私の任務はこれまでだ。さっさと家に帰って晩御飯を作らねば。
しかもここは一人暮らしの男の家だ
ここにとどまる理由もないし、意思もない。
「じゃあ佐伯さん。明日は会社休んでゆっくり寝ていてくださいね。またなにか必要なものがあったら連絡してくれれば、明日の朝か、仕事帰りに寄ります」
そう言って私が寝室から立ち去ろうとした時だった
手首を掴まれてぐいっと引っ張られ、バランスを崩していつのまにか私はベットの中の、しかも佐伯さんの腕の中にいた
「!?」
突然の状況に驚くことしかできない
ただ、濃い佐伯さんの香りに酔ってしまいそうだった
「佐伯さん何してるんですか!」
私が驚いて声を上げると佐伯さんは熱い吐息を吐いて
「帰るな。俺のそばにいて。って言いそうになったから抱きしめてみた。」
悲しげな声に胸が締め付けられる
そんな声で言われたら側にいたくなってしまう。なんでだろう。
「なんか、今日だけは、この広い家に1人でいるのが辛い。あんたがうちに来たからだ。」
今日はいつもの営業用の殻を破った佐伯さんをもっと砕けさせた、そんな様子。
また違う顔を見せる佐伯さん戸惑いつつも、そんな姿を見せてくれることが嬉しくて