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嫌いじゃなかったの!?
第3章 2ページ目。

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「ああやって話すのも仕事なんですか?」
コミックの棚に移動している時に佐伯さんは質問して来た。
「そうですね、一見無駄話や世間話に見えますが、ああやって書店員さんとコミュニケーションをとることで信頼関係を築くことができます。」
「僕には難しそうです。マシンガントークに圧倒されました」
「全員が全員、ああではないですよ。必要最低限しか話さない方もいます。でもそれだとやり甲斐が私には感じられないんです。
営業は会話にかかってるんです。それができないと意思疎通ができなくて、週刊ボーイズのようなまだまだ雑誌のネームバリューが効かないような単行本を宣伝してもらえず、売り上げも伸ばすことができないんです。」
と、そこまで話したところでやめた。
「あ、すみません。これもマシンガントークでしたね。気をつけます。」
やってしまった…
私の悪い癖だ。
私が1人落ち込んでいると
「いえ、真嶋さんの仕事に対する熱意を感じました。」
佐伯さんは気を利かせてくれたのか、そう言ってくれた。
「すみません。ありがとうございます」
私は佐伯さんの顔も見ずにそう言った。

