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嫌いじゃなかったの!?
第8章 7ページ目。
やっぱり気まずい…
私がそう言ってもうんともすんとも言わない蓮。
私は早くこの状況を脱したくて
「あ、蓮、昨日お風呂はいってないでしょ?入っておいでよ!」
苦し紛れにそんなことを言った。
しかし、そう言ってもその場を動かず思い悩んだ顔で立ち尽くす蓮。
ど、どうした??なんか気に触るようなこと言ったかな?
私は思案顔の蓮を見つめながらそんなことを考えた。
しかしこのまま駄々っ子さんのように立ち尽くされても困る。
蓮は早くご飯食べて家出ないと仕事に間に合わないし、私は早くお皿を片付けて他の家事をしたい。
私は痺れを切らして、蓮に声をかける
「蓮?早くしないと仕事に遅れちゃうよ?」
それでも反応がない。
「蓮?どうかしたの?」
腰が痛くて動けないとか?そう思い改めて蓮を見やった。するとパチリと目があった。悲しそうな目だった。
そして苦しげに口を開いて
「本当に覚えてないのか?」
そう言った。
その言葉と表情に言葉が詰まる。
どの言葉が正解なのかがわからない。私の気持ちと蓮の気持ち。どちらもに配慮した的確な言葉が。
「覚えてないならもう一回言う。俺はお前が好きだ。俺のものになってほしい」