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嫌いじゃなかったの!?
第3章 2ページ目。
〜凌side〜
この人は無駄な話をしない。
田島さんとはあんなに話が盛り上がってたのに、俺と2人になると仕事以外のことは突然話さなくなる。
まぁ俺も、そんなにぺちゃくちゃ喋りたいわけではないし、そもそも喋りたいとは思わない。
でも新鮮だった。
だいたい、今まで会ってきた女は俺に色目を使ってあれこれ俺の気を引こうとしてきた。
でも俺はそういうのを受け付けない。
簡単に言えば嫌いだ。
でもこの人はそういうのを全くしてこない。
俺が本当の自分を隠すためにしてる「営業スマイル」になびくこともないし、どこかそれを感じ取っているような気もする。
そして俺の目を見て話そうとはしない。
今だってそうだ。
「次の書店まで五分歩きます」
と3分前にそう言ってから一言も自分から発言せず、俺が質問しても前を見るか、俺の方向に少しだけ顔を向けて質問に答える。
俺、なんかしたっけ?