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嫌いじゃなかったの!?
第3章 2ページ目。
〜杏子side〜
書店周りをなんとか17時までに終え私達は会社まで戻ってきた。
17時半が定時だからとかそんなんじゃない
書店さんはお昼時と17時以降がとても忙しく、その時に書店に伺うと迷惑に思われてしまうからだ。
ちなみにうちの就業時間は9時半〜17時半
でも社員全員が9時半にきて17時半に帰れるわけじゃなくて
編集者になると、作家さんが朝方か夜型かで出勤時間が変わる
私達営業だってそうだ。
打ち合わせ相手の都合で帰りが遅くなることもある
それにしても1日はあっという間。
そして、今月の部決会議は明日。
部決会議とは部数決定会議の略で、1ヶ月に発売される単行本の発行部数を最終決定する会議だ。
この会議では編集部ともめにもめる。
週刊ボーイズのアンケート1位の『颯の弓』
まだ1巻なので初版発行部数は1万部。
これは第1巻にしては多い方。
部長も意外な判断をしたものだ。
そう思い私は部長を見た
すると部長は私の目線に気づいたのか顔を上げて私の顔をみて、ハッ!っと思い出したように目を見開き
「そうだ、明日は佐伯くんの歓迎会やるから、ダメなやつはまず俺に言えー、んで、幹事は石川。明日は定時に上がれるように仕事終わらせろよ〜」
とだけ言うと、時計を見て
「んじゃ、お疲れ様」
と言って部長は帰っていった。