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嫌いじゃなかったの!?
第9章 8ページ目。

大きな声で叫んで助けを呼びたいけど、今叫んだらただの酔っ払いとして扱われるだけだし、まだ何もされてないのにヒステリックに喚き散らすただのやばい奴だ。
ほんとにどうしよう。
こうして考えている間にも体は疼いて仕方ないし、重富さんはいやらしい笑みを深くするばかり
回りにくくなった頭でグルグルと考える
こんな時なのに、机に半分しか乗ってない重富さんのビールのグラスがすごく気になる
あー、もう少しで落ちちゃいそう!
って、今そんなことどうでもいいのに!
でもそれが、この場から去るのにいい口実になるかもしれない
私はとっさにそう思った
やってみるしかない。
私は机の上におつまみやお酒が乗っているのもお構いなしにそのお皿をかき分けるようにして突っ伏した
ガシャーンッ
すると机いっぱいに乗っていたお皿やコップが押し出され床に大きな音を立てて落ちた
そして、
「つめてーっ!」
そんな重富さんの声も聞こえる
落ちそうになっていたグラスが私が机に突っ伏したことで押し出されて重富さん側に落ちたのだ
そこで私はガバッと起き上がって
「あ!す、すみません!ずいぶん酔いが回ったみたいで眠たくなってしまって…!服濡れてしまってますよね?ほんとにごめんなさい!あ、これハンカチですトイレで拭いてこられてください!」
私は演技がかった声で半ば強引にトイレに行くようにと促す
すると重富さんは
「真嶋さんがやったんだから、真嶋さんもきてくださいよ」
と言った。しかし私は
「だいぶん酔っちゃってて立てないんです」
そういうと、私が逃げられないと判断したのか渋々であるがトイレの方へ消えて行った

