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嫌いじゃなかったの!?
第9章 8ページ目。

俺が帰る準備をしている時だった
〜♪ 〜♪
iPhone特有の着信音が聞こえてきた
どうやら自分の携帯が鳴っているようで、机に伏せて置いておいた携帯を手に取り着信画面を見ると、そこには
【真嶋 杏子】
と表示されていた
心臓がドキンッと跳ねる
珍しい。
杏子からの着信ににわかに胸を踊らせる反面、どうしたのだろうと疑問に思う
通話のボタンを押して
「もしもし」
あくまでも平常心でそういうと
『凌…助けて…ッ』
と小さくてか細い、今にも消え入りそうな杏子の声がした
そんな声に否応無しに俺の心臓は早く鼓動した。
何があったのか、どうしたのか。
それを考える前に俺は
「今どこ?すぐ行く。絶対助けるから」
そう言って、すぐさまカバンを持ち走り出す
杏子が今いるのはここから歩いて五分。
しかし走ったら3分もかからないだろう
俺は心臓が痛くなるほど全力で走った
心臓が痛くなったのは、杏子のあの消え入りそうな声のせいかもしれない

