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嫌いじゃなかったの!?
第9章 8ページ目。
凌がいてくれて本当に良かった。
立ち止まった私を不思議そうに見ている凌と目が合う
「ほんとにありがとう」
私は凌にそう言った
すると
「こちらこそ」
と、そう言って「行こ?」と言って歩き出す
変わらない凌に心底安心する。
思わず口に出そうになる思い。
でもそれは口には出せない。
そのことを思うたびに、今わたしの抱えている案件がチラつく。
蓮と凌。
私はその間に立たされている。
どちらに行くのか。
どちらと生きていくのか。
私の中で数々の感情が、思いが交錯して、考えるのが億劫になる。
あんなに「やめないと!」と思っていた蓮との同居生活だって、終わるのが、生活が変わるのが怖くて、嫌でたまらない。
これは私のわがまま。そんなことわかっているけど、それが私の本音。