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嫌いじゃなかったの!?
第10章 9ページ目。
それらを1つ1つ鮮明に思い出して思った。
どうしようもないほど感じてしまった。
私はやっぱり凌が好きだ
押さえ込んでいた気持ちの正体を知っていた。
それは、凌への気持ち。
好きだという気持ち。
なぜ好きなのかわからない。
だけど好きなんだ。
かっこいいから、優しいから、お世話になったから好き。
とかじゃなくて、好きだから好き。
自分はこういうのに1番縁遠い人種だと思っていたのに、そうではなかったようだ。
こんなにも、人を好きになるなんて思ってもみなかった。
「誰が好きか分かった?」
松田さんは私におしぼりを渡しながらそう聞いた。
はたから見たら、私が松田さんにフラれて泣いているようにも見えるかもしれない。
私がコクリと頷くと、ポンポンと私の頭を撫でてくれた。
なんて罪な人だ。
彼女持ちでそんなことをするなんて!
でも、それで、だいぶん楽になった。
やっぱり松田さんはすごい。
なんでも話してしまうし、心を許してしまう。
ただ、蓮と凌を知っているから、という理由だけではなくて、以前会った時にとても話しやすかったのを覚えていたから松田さんに相談した。
やっぱり間違えではなかった。