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嫌いじゃなかったの!?
第11章 10ページ目。
そのあと私たちはもうとっくに冷めてしまったご飯を、美味しい美味しいと言って食べた。
蓮は8月のお盆前には完全に地元に住民票を移すらしい。
それまでの間、突然退職することになったわけだから、会社関係の引き継ぎとか、うちの片付けとか。
七月いっぱいまで働いて、そこからは荷物詰めと、東京で行けていないところとか、観光地巡りをするらしい。
なんとも蓮らしい。
そしてもちろんこの家ともおさらば。
私が1人住むには広すぎるし、1人だとまず家賃が高いし。
だから、私はこの家に来月いっぱいまでは住んで、そこから新たな家に引っ越さなければならない。
今のうちから新しい部屋探さなきゃ、宿無しになってしまう。
どこらへんに住もうか?
ううん。今はそんなことどうでもいいの。
今は、前のように、気軽に冗談を言い合って、お笑い番組を見ながら晩酌して、蓮と笑い合えるのが何よりも嬉しい。
こんな日々がもう少しで終わってしまうと思うと、余計に。
そして、私は決めた。
凌に気持ちを伝えよう。