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嫌いじゃなかったの!?
第11章 10ページ目。
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俺がカップラーメンを片付けている時だった。
ピンポーン
珍しくチャイムが鳴り響いた。
ほんとに珍しい。
友達が少ない俺の家に訪ねてくるやつなんて、たかが知れてるし、ネット通販で何かを買った覚えもないし、俺にプレゼントを贈る物好きなんていない。
じゃあ誰だ?
曲がりなりにもここは高級マンション。
一応、コンシェルジュを通さないとここまでは来れない。
ここまで来れるということは、顔見知りか。
そこでまず思い浮かんだのは松田朔太郎だった。
あいつは昔から時間は守らないけど、謎の時間に活動し始める節がある。
それがまた発動したか?
酒でも持って飲みに来たのかも知れない。
俺は玄関へと向かった。
どうせサクだし、確認する必要もない。
そう思い扉についてる覗き穴すら覗かなかった。
ったく。朔太郎のやつ。文句を言いたいことはたくさんあるけど、まずは突然来たことに対して文句でも言ってやるか。
そんなことを思いつつ、ドアノブに手を伸ばした
ガチャリ
「あのなぁ…」
俺がその言葉の続きを言おうとした時だった。
「!?」
続きの言葉は出なかった。
ただ、あんぐりと口を開けて、そこにいる人物を見ることしかできなかった。
「杏…子…?」
そこにはすこし髪の乱れた杏子が不安そうに立っていた