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嫌いじゃなかったの!?
第13章 12

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「読み終わったよ」


私はリビングで私が持って来た家具や雑貨などを並べていた凌に話しかけた


凌は少し気まずそうに微笑んで


「どうだった?」


と聞いた。




私の予想が本当なら。




「これって…凌のことだよね……?」



目の前がぼやける


頬を温かい何かが伝う


凌は寂しそうに笑って


「そうだよ」


といった。



うん。やっぱりそうだ。


凌は初めて私を抱いた時に言っていた



『俺を育児放棄した母親にか。それとも俺を裏切ったあの女にか。』


この言葉。



「つまりは、俺の実体験。俺が経験したことが全て書いてある」


あの本に書いてあることが全て実体験だというなら、それは、


あまりにも辛すぎる。


小説を読んでいる時、心が締め付けられて、苦しくなって、今すぐにでも助け出したくなった


あの、黒く淀んだ世界から




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