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嫌いじゃなかったの!?
第13章 12
でも同情はできない


同情するなんて、おこがましい。


私も、自分で言うのははばかられるけれど、辛い経験をしたと思う。


辛いの度合いなんて人それぞれだけれど、私は、私個人的には凌の方が辛いと思った


わたしには助けてくれる人がいた。


でも凌は…


心を閉ざして、長い間一人で戦って来たんだ


それを思うと…



どうやら、あの小説に感情移入しすぎたみたいで


涙が止まらない。


父親が出て行った時の心情や、母の嬌声が耳を塞いでも頭の中から聞こえてくる心情の描写は、


胸が引き裂かれた。


つらい、しんどい。


だからって、「辛かったね」とは言えないから私は



ただ苦しげに笑っている凌の頭を優しく抱きしめて


「楽しい思い出を、私と、たくさん作ろう」


と言った
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