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嫌いじゃなかったの!?
第3章 2ページ目。
「俺、本当の恋愛とか、本当の愛とかそういうのいいんで。好きな人とか作っても苦しいだけだし、必要ないと思うんすよ」
どうせ忘れてしまうことをいいことに、親しい人間にもあまり言わない胸の内を吐露していた
別に返事を望んでいたわけじゃなく、ポツリといつの間にか口に出ていた
でもこの人は少し考えてゆっくりと話し始めた
「私、好きな人はいません。お付き合いした経験もありません。
でもあなたが寂しいんだという事はわかります。愛されたいんだという事はわかります。
あなたは今お前になにがわかるんだと思っていますよね?
はい。私には何もわかりません。ですが、
あなたは自分から人を好きになるのを恐れているんじゃないですか?
無条件に愛されたいと思っているのではないですか?
なのに見返りを求める人々を見て嫌気がさしている。そうなんじゃないですか?」
真嶋さんの的を得た言葉に歩みを止めた
そうなのかもしれない。
自分は愛されたいのかもしれない。
「じゃあ、どうやったら愛されるんですか?」
掠れた声でいつしか救いの手を求めていた
すると真嶋さんは優しい笑顔を浮かべて
「あなたが人を愛したらいいんです。
愛してもらいたい人を愛したらいいんです。
わらしべ長者と一緒です。
あげたものは倍になって帰ってきますよ。
言葉は魂を持っていて、言った言葉はそのまま自分に返ってくるんです。
暴言を吐いたら自分にもいつか同じような暴言が帰ってくる。
それと同じで、人に愛を囁けば、同じように愛が帰ってくる。」