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嫌いじゃなかったの!?
第4章 3ページ目。
私もその作業に取り掛かろうと腕まくりをしていると
「真嶋、ちょっといいか」
と部長が私を呼んだ
私は試し読み本作りで賑やかな輪の中から外れ部長の元へ行った
「咲く恋の舞台はどこかわかるか?」
そう聞かれて私は即座に
「京都です」
と答えた
『咲く恋』は京都で観光業をしている主人公、沙也加と京都が嫌いな高校生、伊月の出会いから始まる
この物語は甘々の純愛ではなくて、大人の恋の難しさと高校生のあどけない恋心の交差を描き、
女性でも幅広い年齢層に支持され、男性からも人気を集めている
そして、現在9巻まで出ていて、次の10巻が最終巻なだけあって怒涛の展開が繰り広げられている
「そうだ、そこでお前と佐伯くんに京都に地方営業に行って欲しい」
「私と佐伯さんですか?」
「お前新人教育担当だろ?だから佐伯くんに地方営業教えるのと、京都を牛耳ってる『アトランタ書房』の本店が『咲く恋』の作者の石崎先生のサイン会を、来月の咲く恋最終巻発売日にサイン会を予定してるからそれの打ち合わせと、『颯の弓』のフェア展開のお願いしてこい」
地方営業は半年〜4ヶ月に一回程度しか行かないから私だってそんなに経験があるわけじゃない。
多少の不安はあるが、せっかく任された仕事だ。
「わかりました、京都に行って来ます!」