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嫌いじゃなかったの!?
第5章 4ページ目

〜杏子side〜


「ビール買いに行きません?」


私はそう言った


さっきから私を見て固まっている佐伯さん


あ、もしかしてすっぴんに驚いているのだろうか?


私は不安に思って、


「佐伯さん?」


と聞いた


すると佐伯さんはまっすぐ私の方に歩いてくるではないか


これは私とすれ違うためではなく私の元に、私に近づこうとしている。そう直感的に感じて


私は反射的に後ろに下がる


ドンッ


しかし後ろはもう壁、これ以上下がることができない


目の前までやってきた佐伯さんを私は見上げた


そして、もう一度「佐伯さん?」と聞いてみる


すると苦しげな顔をして


「もう無理」


そう言って私の顎にそっと触れ、私に綺麗な顔を近づけてきた


私はなぜか動くことができなかった


佐伯さんは顔を斜めに傾けて、


チュッ


私の唇に柔らかいものが触れた

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