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セカンドラブ
第4章 ド
「しおり、は・・・寝ていいっていうのに毎日起きて待っててくれたんだ」
知らないオンナの話を聞いている気がする。

「だから、帰るコールをしていたんだけど」
知らない二人の時間に嫉妬する。

「池田は、寝てていいんだよ。俺毎日遅いから」
私のことを旧姓で呼ぶ。
この他人行儀に悲しくなる。

確かに、しおり、と呼ばれてもしっくりこないんだけど。
それでもほかのオンナの自慢をされているようで
苦しくなる。

「池田、ご飯は?まだ食べてないのか?」
「待ってました」
「そうか。悪かった。一緒に食べよう」

ありがとう、じゃなくて
いつも主任は私に謝る。

それは主任にとって他人が待っていたかのように。

「美味い。味付けは変わらないんだな」

嬉しそうに、きれいな箸使いでご飯をどんどん食べる。

「少し飲むか?」

と出されたワイングラスはペアのもので。
私が使っていいのか一瞬迷った。

このグラスは、ラブラブな主任と私を知ってる。

私はこの人と一体どんな5年間を過ごしてきたのか。

私の適量を知っているかのように
グラスに半分だけ注いだ赤ワインは
私の好きな味だった。
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