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エリュシオンでささやいて
第4章 Bittersweet Voice
「だから裕貴くんは、十七歳なんですってば」
「わかってるよ。だからむかつく。あいつのプロデュースやめようかな」
これが、即席で曲をアレンジして凄まじいテクを披露した、天才クリエーターなのだろうか。
「才能ある子を潰したら許しませんよ、あたし」
すると早瀬があたしの首に顔を埋め、彼の髪があたしの首を擽りながら、また大きなため息をついて、あたしを両手で抱きしめたまま、顔だけを離した。
「なんで泣いた?」
「……っ」
言えない。
早瀬に他の女の影がちらついたからなんて。
誰が本当の特別なのか気になるからなんて。
「柚」
耳に直接響いた早瀬の艶めいた声と共に、あたしの身体は持ち上がり、早瀬の膝の上に後ろ向きで座らせられた。
「ちょ……」
後ろから両手をクロスするようにして、ぎゅっと抱きしめてくる。
早瀬の大きな身体にすっぽりと覆われ、慌てるあたしの首に早瀬は唇をあて、吸ってきた。
「な、にを……っ」
早瀬の熱い吐息を感じる度に、身体が震える。
「やめ……ぁぁっ」
耳に忍び込まれた舌遣いに、思わず上げてしまった声。
いつも我慢しているのに、なんたることだと慌てて手の甲で口を押さえたが、耳の愛撫は止まることなく。
「声、出せよ」
その熱を帯びた声に、ぶるりと身震いする。
「なんで泣いたか言わねぇと続ける」
とんでもないと頭を横に振れば、耳朶を舌で揺らされて唇で甘噛みされて。
「~、~っ」
ぞくぞくが止まらない。
「ふっ……可愛い顔」
早瀬の笑いとその甘い声が、下腹部の奥を蕩けさせる。
身じろぎして逃げようとするが、早瀬の腕に搦め取られたまま、執拗に耳をぴちゃぴちゃと音をたてて攻められて、息も絶え絶えで。
「なあ、柚。もう少しで頂上なんだけど、頂上過ぎたらお前、感じてるの前の客から丸見えだぞ」
「――っ!!!」
「俺がこうやってしてることに、お前が気持ちよさそうにしてるの、ばれてもいい?」
嫌だってば!