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エリュシオンでささやいて
第5章 Haunting Voice
 

「十五分……で来たんですか、木場から青山まで。渋滞、してたのに」

「ああ。高性能ナビで裏道通りながら、スポーツカーをすっ飛ばした」

「そ、そうですか……」

「それだけかよ」

「いや、その……ありがとうございました。興奮しすぎたための、病気ではない貧血が祟っただけだったのに」

「そっちの礼かよ」

「え、どっちの礼ですか?」

「……まぁいいや。俺のために乗り込んだんだろ、お前」

「え?」

「オリンピアにお前が居たことですべてが繋がった。最初、エリュシオンで不審者でも来てお前が拉致されたかと思ったからな」

「え、美保ちゃんにオリンピアに行ってくるって行ったのに」

「あいつ……言えよな! ……それよりお前、朝霞とどんな関係だったんだよ。すげぇお前、心を許しているっぽいけど、昔の男?」

 ハンドルを切りながら、どこか面白くなさそうに憮然と早瀬は尋ねてくる。

「違いますよ! そんなのじゃないです」

「じゃあどんなのだよ」

「朝霞さんはエリュシオンのエースだったんです。一応営業ではあったんですけど、昔のエリュシオンは他の課と掛け持ちすることが多くて、所属課はあってないようなもので。色々な部署で朝霞さん、走り回ってたひとでした。あたしは企画にいて、彼は主任で。……新人時代から色々、ダメダメなあたしを助けてくれたんです。もうひとりの女性の先輩と共に、専属の教育係みたいに。大変お世話になった方です」

「………」

「温厚で頭もいいし実行力もあって、なにより前社長を尊敬して社長の教えに忠実なひとでした。社長には息子がいるとは皆聞いていて知っていたけれど、エリュシオンに在籍もしていないし、前社長の次に社長としてエリュシオンを引っ張り上げるのは、朝霞さんだと誰もが思っていたと思います」
 
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