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エリュシオンでささやいて
第6章 Invisible Voice
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◆ハデス
ローマの神話では冥王星の名前の由来ともなったプルートと呼ばれるが、ギリシャ神話において、ティターン神族(オリュンポスの神々より前の古の神々)の長であるクロノスとレアとの間に生まれ、ゼウス、ポセイドン、デメテルらの兄弟である。
「生まれた子供に権力を奪われる」という予言を信じた父クロノスに丸呑みにされ、ポセイドンらと共に父親の腹の中に幽閉されて育ったが、ゼウスに救出され、兄弟でティターン神族と戦い、勝利した結果、ゼウスは天空を、ポセイドンは海を、ハデスは冥府を支配することになった。
正妻がいてもたくさんの妾と妾腹の子を持つ兄弟と違い、ハデスは真面目で一途、心優しい性格の堅物とされるが、一目惚れをした姪のペルセポネーを地上から略奪して妻にする(ゼウスの策略とも言われるが)、強引さがある。
◆ペルセポネー
ゼウスとデメテルの子供で、大地の女神デメテルに愛情を注がれて育ったが、彼女に一目惚れをしたハデスによって(一説によると、馬鹿にしたペルセポネーに対するアフロディーテの報復としてエロスがハデスの心に矢を打ち抜いたとされる)、冥府に誘拐されてハデスの正妻にされる。
ハデスは、ハデスの兄弟でありペルセポネーの父であるゼウスの許可を貰って妻に迎えたが、ペルセポネーは母が恋しいと冥府で泣いて過ごして、ハデスを困らせる。
一方、娘を勝手に奪われた母デメテルの悲憤のストライキにより、地上の凶作に困ったゼウスは、ヘルメスを使いペルセポネーを冥府より連れ出そうとするが、ペルセポネーはハデスに勧められるまま、冥府の食べ物である石榴(ザクロ)を口にしてしまったため、食べた分…1年の三分の一は冥府にいないといけなくなった。これが四季の始まりとされる。
その後、ハデスとペルセポネーは、冥府で仲睦まじく過ごしたと言われている。
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