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エリュシオンでささやいて
第6章 Invisible Voice
 

 *+†+*――*+†+*

 あたしが目を腫らせて、スタジオに出てきたから、女帝と裕貴くんが目を吊り上げたようだ。

「柚、早瀬さんになにか言われたの!?」
「須王さん、なんで柚を怒るんだよ!!」

 あれだけ喫茶店では、ツッコミを繰り返していたストレートなふたりが、同時に声を揃えたものだから、なんだか本当の姉弟のようで微笑ましくて、思わず笑ってしまった。

「まあ、上原が泣きながら、危険だから三芳も傍に置いて欲しい、初めて出来た友達だから信じてくれと、あれだけ言われればな」

 早瀬が、やれやれといった苦笑した顔で、片手で前髪を掻き上げてちらりとあたしを一瞥すれば、早瀬に詰め寄っていた裕貴くんが目をぱちくりとし、

「え、早瀬さんが困るまで言ったの、柚」

 女帝までもが驚いた顔であたしを見る。

「い、いやその……」

 あたしが早瀬に言ったのは、ここスタジオで皆の前のみで、あたしが泣いて目を腫らせたのは、女帝は関係ないし、そもそもあたしに、王様を辟易させるスキルは持ち合わせていない。

 だけど早瀬は、あたしが泣いて懇願したという形にしたいらしい。

「三芳、ここにいるということは、HADESの一件、場合によってはこれ以降すべて、お前の父親も敵に回すかもしれねぇ。その覚悟があるか?」

「おや……父ですか? ああ、どうぞどうぞ。見た通りの性悪な根性、お好きなようにたたき直して下さい。むしろご協力致します」

 あまりにあっけらかんとした女帝の答えに、早瀬は最初驚いていたようだが、口元を吊り上げるようにして笑い出した。

「随分と会社と違うな」

「はは……、思いきり猫被ってましたから。だけど柚と、柚を助けようという人達の前では、素でいたいと思います。駄目でしょうか。駄目なら戻しますが」

「ああ、いい。ここには、俺に気を遣う奴らはいねぇから。皆ズケズケと俺を言いたい放題だし」

 小林さん、裕貴くん、……あたしも?

「俺が上原をフォローできねぇところを、フォロー頼めるか」

「はい」

「それと、さっきは言い過ぎた。こいつに怒られたよ」

 早瀬はあたしを見る。

 あたしのせい?
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