この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第6章 Invisible Voice
  


   ・
   ・
   ・
  
   ・

「はぁ。なんでああなのかな、あのひと。妬くくらいなら、柚に良い格好するなって話」

「がはははは。女に見向きもしねぇあいつが、嬢ちゃん相手ならあんなになるのか。こりゃあ嬢ちゃん、身体が持たないわ。あいつ、涼しい顔してやるときゃ激しそうだしな」

「え、言うことも出来ねぇ状態なのに、身体の関係はアリなの!?」

「アリだろ。身体から始まるのもあるさ。口で言えなければ、身体で……というのは、大アリだろうさ」

「うわあ、だから大人って……って、ごめん、無神経だったよな」

「……いいよ、気を遣わないで。早瀬さんって、そうなんだ」

「そうらしいよ。どう見てもそうなのに、柚だけが気づかない。気づかないというか、信じようとしてねぇみたい。柚はハナから、世界がひっくり返っても、あのひとに愛されているっていう状況になるのは、ありえないと思っているフシがあって、だから平行線のコント見ている感じ」

「ぶはははは」

「……まあ、柚にトラウマがあるのなら固定観念は消えないわよね。だけど、早瀬さんって……プライベートでは、あんな顔で柚を見てるんだ。いつもクールで感情をあまり出さないと思っていたけど」

「いやいやいや。あのひとはわかりやすいよ、ね、くまのおっさん」

「がはははは。まあそうだよな。あいつは、昔から無理矢理大人になろうとしていたからな。出会った頃のあいつは、なにがなんでも音楽で大成してやると我武者羅で、それ以外は心を見せなかったからなあ。飲んでいても、隙がねぇっていうのか。お偉いさんと会食している感じ?」

「おっさん、友達なんだろ? それでも?」

「俺は友達とか手のかかる弟とか思ってても、あいつはそこまでは気を許してねぇだろうな。まあ、あいつも社会人になって名も売れてきたから、最初の頃に比べれば大分砕けたけどな。あいつは音楽に対しては素直なんだが、それ以外は防護壁を高く厚く頑丈にして、本心を悟られまいとするんだ。このスタジオの外壁のようなものがあいつの心にある。だけどたまに、酒に酔う時があって」
 
/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ