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エリュシオンでささやいて
第6章 Invisible Voice
そう意思表示をしているというのに、早瀬の両手はあたしの後頭部を支えるようにし逃げ場を塞いでくる。早瀬の舌があたしの唇の裏側を舐めてくれば、それだけで下半身がむずむずしてしまうあたしは、やがて痺れをきらせた早瀬に舌を絡ませられるようにしながら、早瀬の口の中に絡んだ舌を誘導されてしまう。
初めて忍んだ早瀬の口の中は今までにない感触がして、誘導されるように早瀬の口の中を舌先で触れば、なんとも悩ましい早瀬の声が聞こえて、それだけでざわざわと背筋に流れる微電流が強くなる。
絡み合う舌。
いつものように追いかける早瀬の代わりに、あたしが追いかけて早瀬の息を荒くさせると、今までにない興奮が身を震わせる。
酔いも手伝い、いつになく大胆に早瀬の口を攻めるあたしは、早瀬の手が下りて、ブラウスの中に入り、ブラのホックを外されたことに気づかずキスに夢中になっていて、気づけば胸元の開放感にはっとした。
ブラウスのボタンが外されて、ブラごとキャミが上に捲れている。
抗議の言葉もキスで塞がれ、熱い手があたしの両乳房に宛がわれた瞬間、あたしは直接肌で感じた熱にびくんと反応した。
乳房は手のひらに包み込まれるようにして、優しく揉みしだかれていく。
いつもは後ろからの手の動きが、今は正面からとなり……早瀬によって拓かれた身体は、いつも以上に敏感に反応してしまう。
キスが疎かになると、今度は早瀬が主導権を握ってきて、あたしの口腔を激しく攻め立てながら、ひとつのリズムを奏でるようにしてあたしの胸を愛撫してくる。
静かな夜に響く甘い声。
絶え間ないキスの音。
好きなひとから応えて貰えるキスが嬉しくて、たまらない。
酔っているから。
夢を見ているから。
だからあたしは、早瀬に触られるのが素直に嬉しいと思える。
やがて音をたてて唇が離れると、そのまま早瀬の唇はあたしの耳や首に宛がわれて、囁かれる。
「抱いて、伝えたい……」
両手で掴まれたあたしの腰が早瀬にぐいと引き寄せられると、ズボン越しとはいえ早瀬の猛りを感じられて。
「このまま、正面でお前の中に包まれてぇよ……」
ぐいぐいと押しつけられる股間。
ああ、あたしも欲しいのに。
いつものように拒むのではなく、あたしが早瀬と繋がりたいと思うのに。
繋がることが出来なくて。