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エリュシオンでささやいて
第7章 Overture Voice
 
 
「俺は営業課長の結城です」

 そう名刺をくれたちょっと野性味溢れるイケメンさんは、前に千絵ちゃんが言っていた男性なんだろう。

 彼もにこにこと素敵な笑顔だ。
 シークレットムーンは本当に笑顔が溢れる会社だ。

「今、うちでセキュリティ強化の開発をしているんですが」

 結城さんは、USBをあたしに見せた。

「モニターのご協力をお願い出来ませんでしょうか」

「モニターですか」

 後で法外な金額を請求されるんだろうか。

「ええ。うちの会社以外のところで、きちんと機能出来ているのか確認する必要がありまして。うちのプログラマーが開発したもので性能は保証します。勿論お願いするので、無料です」

「無料ですか! でしたら喜んで!」

 無料につられる貧乏性。
 
「はい。先にLANに繋いだ状態で、これをUSB口に差し込むと、最初に簡単にインストール画面が現われます。それをインストールすると、パソコンの監視モードになるんですが、お使いのパソコンにコンピューターウイルス対策ソフトが入っていた場合、一度機能停止にして頂く必要があります。もし入っていないのならば、Windowsのファイヤーウォールを停止して頂く必要が……」

「はあ」

 まったくもって、ちんぷんかんぷんだ。

 ファイヤーウォールって、火の壁だよね?
 そんなものパソコンに入ってるの?

 ウイルス対策ソフトだって、入ってるかわからない。
 メール確認と書類作成しかしていないもの。

 恥ずかしながらそう正直に言うと、鹿沼さんと結城さんは顔を見合わせて、一台のノート型パソコンを持ってきて、ふたりで色々と教えてくれた。

 覚えられないあたしは、コピー用紙を貰い、ペンを借りて確認すべき手順をメモしていく。

 鹿沼さんと結城さんは、ため口で言い合える仲らしい。
 聞けば、このビルに来る前の会社からの同期だと言う。

 結城さんは鹿沼さんに笑いかけて親しみを見せているけれど、鹿沼さんもにこやかにそれに応えているとはいえ、なにか緊張しているようにも見えて、そんな鹿沼さんをちらちらと結城さんが窺い見ている。

 このふたり、なにかあるんだろうか。

 だけど立ち入るのも失礼だと思い、セキュリティUSBという心強い味方を借りることになった。
 
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