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エリュシオンでささやいて
第7章 Overture Voice
 

「……解除条件はなんだ。上原の拉致か」

「そうだ」

 朝霞さんは頷いた。

「どう解除する」

「監視役が上原拉致を確認して連絡したら、連絡先が解除する」

「お前はその連絡先に、連絡出来ないのか?」

「え?」

「仮に、想定外のことが起こり、たとえばお前も監視役も拉致出来ない状態であると告げたら、中断出来るか?」

「ありえない。監視役は単数ではない。皆が拉致不可能と思わせないといけないんだぞ。骨折程度では、見せしめに笠井が爆発されるだけだ」

 真理絵さんの声は笑い声になって、最早人間の言葉ではなく。

 うひゃひゃひゃとか、い゛い゛い゛とか、壊れかけている。

 早く救ってあげたいのに、下手に手出しが出来ないのがもどかしくて。

「骨折程度でなければいいわけだな?」

 超然と笑う早瀬に、怪訝な顔をして朝霞さんが尋ねる。

「なぜそう易々と言える? わかっているのか、上原の敵の正体を」

「〝我らは永久の闇より汝を求めん〟」

 それは前、赤いBMWで棗くんが言っていた呪文。

 明らかに朝霞さんは動揺した。

「ちっ。外が動き出したな。……朝霞、俺達と来るか?」

「いや、俺にはやることがある」

 朝霞さんはいつもの優しい笑みを浮かべてあたしを見た。

「なにがあっても、生きろよ。上原」

「朝霞さん、一緒に……」

 今生の別れのように感じてしまったあたしに、朝霞さんは頭を横に振った。

「俺は笠井を助ける」

 朝霞さんは、いつだって仲間を見捨てないひとなんだ。
 だから皆、朝霞さんを慕ったんだ。
 朝霞さんならなんとかしてくれると。

「じゃあ真理絵さんも一緒に逃げましょう」

「俺の監視として笠井は利用されている。笠井だけじゃない。他の社員も〝飼育〟されている」

「な!」
 
 飼育ってなによ!
 家畜のように扱っているってこと!?
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